毎日の日課
夫は優しく、真面目すぎるほど真面目だった。
彼女は「妻」であり「母」であり、その役割を完璧にこなすことに誇りを持っていた。
毎朝、夫と子供の朝食を用意し、家事をこなし、夜は家族の夕食を作り、子供の宿題を見る。
その繰り返しが、彼女の人生を形作っていた。律子は、その生活に不満はなかった。
しかし、ふと気づくと、鏡の中の自分は「女」としての輝きを失っているように思えた。
「私、何か大事なことを見逃しているんじゃないか」
その思いは、夜中に目が覚めた時や、子供たちを学校に送り出した後の静かな時間に、特に強くなる。
夫は優しく、子供たちは健やかに育っている。
近所の人たちからは「いい奥さんね」と褒められる。
でも、その言葉が逆に彼女の心を締め付ける。
「いい奥さん」であることと、「私」であることその境界線が、最近ぼやけて見えた。
二十代の頃は、結婚や出産を「当然のステップ」だと信じていた。
でも今、ふと鏡に映る自分を見ると、そこには見知らぬ女が立っているような気がする。
律子は、浴室の鏡に映る自分の裸体をじっと見つめた。
湯気の向こうで、三十一歳の身体はまだ若さを保っている。
しかし、彼女の指先が腹部の柔らかい肉を掴むと、出産の痕跡が確かにそこにあった。
「女として、私はまだ価値があるのだろうか」
その夜、夫が子供たちを寝かしつけに2階に上がった後、
彼女はキッチンで後片付けを終え、ふと、自分の身体に触れていた。
指先が鎖骨をなぞり、胸のふくらみに触れる。その動作には、久しぶりに感じる自分の肌の感触への懐かしさがあった。
彼女の指が、ゆっくりと下腹部へと移動する。太ももの内側を滑る指先は、自分の体温に反応してわずかに震えていた。秘所へと近づくにつれ、彼女の呼吸が浅くなっていく。
「彼は、この身体をどう見ているんだろう」
夫との性生活は、子供たちが生まれてから回数が減っていた。
彼は疲れている。自分も疲れている。でも、それだけが理由ではない気がした。
指先が、濡れそぼる場所に触れる。律子は、自分の体から湧き上がる感覚に驚いた。
それは、久しく忘れていた女の部分が目覚める瞬間だった。
「まだ、女として感じることができる」
律子は、キッチンのシンク前に立ち、洗い終えた食器を拭きながら、窓の外を眺めた。夫・健太郎はすでに会社へ、子供たちは学校へと送り出され、家の中は静寂に包まれている。時計は午前八時半を指していた。
後片付けが終わると、彼女はコーヒーメーカーに手を伸ばした。
しかし、その手は途中で止まり、代わりにエプロンの紐を解き始める。
キッチンのカウンターに腰掛け、スカートの裾をそっとたくし上げた。
「今だけは……」
彼女の指が、太ももの内側を滑り始める。
この瞬間、彼女は「お母さん」でも「妻」でもない。
「女」として存在する時間だった。
指先が、パンティー上から敏感な部分を撫でる。彼女の呼吸が、少しずつ深くなっていく。
キッチンの蛍光灯が、彼女の顔を白く照らし出す。誰にも見られていない。誰にも邪魔されない。
「恥ずかしい…」
その羞恥心が、逆に彼女の体を熱くする。彼女は、指先でパンティーの布地を掴み、割れ目に沿って指を当てた。
「まだ、女でいられる…」
指が、濡れた布地に触れる。彼女の呼吸が、少しずつ速くなる。キッチンの静けさが、彼女の鼓動を強調する。
「あ…」
彼女は、パンティーの上から指を上下に動かし始める。指先が、敏感な部分を刺激するたびに、甘い吐息が漏れる。羞恥心と快感が混ざり合い、彼女の体を支配する。
律子の毎日の日課。。
呪文
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