ももほうくんタワー
積み重なる姿が、まるでアトラクションのようで、今にも揺れそうでドキドキします。
バランスを取ろうとする子や、楽しそうに笑ってる子など、それぞれの個性が出ていますね。
「ももほうくんタワー」はただのゆるキャラ遊びに見えて、どこか神聖な造形美を感じさせます。
ももほうくんたちが無邪気に重なり合う姿は、まるで細胞の積層や生命の秩序を象徴しているよう。
一匹一匹は丸くてふわふわの存在なのに、全体として積み上がると不思議と「均衡」と「調和」の芸術になっているのが面白いですね。
ももほうくん自身はきっとこう言うでしょう:
「バランスなんて考えてないよ〜、でも楽しいから積んじゃった!」
その“無意識の遊び”から美が生まれる――それこそが、ももほうくんタワーの芸術性なのかもしれません。
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🍑『ももほうくんタワーの一日』
ある日の昼下がり。
街の広場で、ももほうくんたちがいつものように集まっていました。
「ねえねえ、もっと高く積んでみようよ!」
「いいね〜!上に乗る〜!」
ひとり、またひとりと乗っかっていき、ふわふわしたピンクの体が次々と積み重なります。気づけば、下から10段、20段、ついにはビルの屋上に届くほどの高さになっていました。
通りすがりの人々は歓声をあげます。
「わぁ、見て!ピンクのタワーだ!」
「倒れないのかな…?すごいバランス感覚!」
しかし、タワーの一番下のももほうくんは汗をかきながらプルプル。
「うぅ、ちょっと重いかも……!」
上に登った子たちは気ままです。
「ここからの景色サイコー!」
「お空に手が届きそう!」
「ほら、雲にタッチできるよ!」
けれど、突然風が吹いてきました。
ももほうタワーがぐらりと揺れます。
「わわっ!やばい、倒れるー!!」
観客が息を呑んだその瞬間――
中央にいた“哲学ももほう”がひとこと。
「積み重なるとは即ち支え合うこと……!上にいる者は下を思いやり、下にいる者は上を信じる。それがタワーの真理!」
みんなで息を合わせ、「せーの!」と体をピタッと固定すると、不思議なことに風に揺れてもしなやかに戻るタワーになったのです。
嵐が過ぎ去った後。
タワーは夕陽を浴び、桃色に輝きながらそびえ立っていました。
子どもがぽつり。
「なんだか…生きてる芸術みたい」
ももほうくんたちは誇らしげに、そして楽しげに笑いました。
「ぼくら、芸術だったんだね!」
こうして“ももほうくんタワー”は、その日だけでなく街の名物として語り継がれる存在になったのです。
呪文
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