GS-1 お告げが届かなかった姫
シオン藩との境界に近いこの地域は、日々シオン藩からの侵攻に目を光らせる、都瑠須(とるす)家が城を構えていた。
城主である伽美羅(かみら)姫は、此度の転移で―――目的を失っていた。
「はっ…長年シオンの奴らに悩まされて、体張ってタケクラを守ってきたってのに…
…そりゃあ神さまのお告げだってんだから従うさ…でも今更仲良しこよしで戦えるかっての。」
ふと城の外を見てみれば、シオン藩から多くの妖怪・半妖・獣人、そして人間たちがセントレイクに攻め入るべくぞろぞろと城下町を行進している。
必死に守ってきた境界線は、今はもう存在しない。
都瑠須の住人たちからも、自主的に水や食料が提供されているようだ。
「……お告げをちゃんと聞いてりゃ、やる気も出たのかね。」
伽美羅姫は皆の脳にお告げが届いた時、爆睡をかましていた。
転移したところでシオンから藩を守ることは変わらない、と他家の混乱をよそに余裕をこいて寝ていたのだ。
お告げは寝ている人にも届いていたが、一度寝ると非常に起きにくい性質の彼女の眠りは貫通できなかったようだ。
「……濃羽(のば)、ちょっと見てこい。せんとれいく、とやらを。私をやる気させる、面白いもの見つけてきてくれ。」
一番近しい忍びに声を掛けると、伽美羅はため息とともに雄大なシラクレナの景色を見つめるのだった。
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