小説『暗号名 真羅弐時 ー秋の黄昏ー』【ニャンノ世界】
『真羅弐時ー秋の黄昏ー』
戦いは武力によって、決まらず
情報によって決まる。
真羅弐時の矜持である。
秘密結社シャドウズ帝都支部にて
情報収集に務め、
組織に属する様々な者に
伝言〈メッセージ〉を届ける。
其は時に、重要~普遍的なものなど様々である。
完璧に見える彼女、
しかして、
そんな彼女にも
悩みというものは存在した。
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面白いものを見かけると
伝言収集家としての
職業病的な発作が
好奇心という名の病が
心の揺らぎが発現する。
もちろん、落ち着くことが
重要なのだが、
其を具現化すれば
楽なのだが、
其に費やせば
時間というものは
溶けていき
得れば砂糖のような恍惚に
脳が震えることは確かだが…
しかして、
揺らぎ明滅する光となって
混濁化していくのは
確かなわけであり…
(いかん、落ち着け、餅を…餅を食べるか)
と、思考は舞踏会の如く
ステップを刻んでいた。
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紅く染まる葉っぱの音
興味・関心は蜜の味
ゆえに自制しなければ
真実の肌が現れて
潔白の証明すらも瓦解する
混沌として衝動的
崩壊的なレゾナンス
怪物的な興味が湧いて
井戸の深淵に深みに嵌まる
かもしれないからこそ、
真羅弐時は
理性を以て、
自身のEGOと相対す…
ー病めば怪物に成るのは
己なのだからー
己を客観視することで
危険な好奇心というものは
鳴りを潜める。
伝言収集家は闊歩する。
有象無象の怪異と日常の狭間にて
情報を収集し、伝えてゆくのだ。
呪文
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