ゆるゆるサラトバ冒険記 #5「いざレスランドへ」
なぜそういう話になったのか、少し時間をさかのぼる。
戦いの後、彼女はその場に倒れこんだ。竜は心配そうに顔を近づけた。
「お腹…すいた…」
竜は彼女の表情を伺うと、乗れ、と言わんばかりに翼を広げた。
彼女は黙ってよじよじと竜の背中に乗った。
しっかりと乗っていることを確認した竜は飛び立ち、
赤い国グランゼンを後にして、レスランドの地へと向かうことになったのだった。
初めての空の旅に、彼女はめずらしく驚きの表情を見せる。
これまで一休みすることもなかったため、彼女の顔には安らぎが見える。
最初に空を飛んだときは、景色を眺める余裕もなかったことも理由にあるのだろう。
彼女はまるで自分に翼が生えているかのような錯覚を覚えながら、一時の空の旅を楽しんでいた。
レスランドに到着した彼女は、穏やかな地の雰囲気に癒やされ、空腹を忘れて一休みをしていた。
この地に来て初めて彼女は休息を知った。
少しの時間だったかもしれないが、竜との空の旅は、彼女にとって、この地での初めての思い出になったかもしれない。
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#4 「炎竜との決着」
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#5.5 「レスランド潜入」
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#6「食料調達」
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呪文
入力なし