「スイッチONで美女たちが変顔になる競技会」
毎年恒例、「へん泣競ってィー」の季節がやってきた。
この奇妙な大会のルールはシンプル。
ステージに立つ美女たちの前に、ひとつの大きなスイッチが設置されている。
観客の合図で「ON」のスイッチが押されると、まるで魔法のように、彼女たちの顔が一瞬で変顔に変わるのだ。
今年の注目は、20代の華やかな女性コンテスタントたち。
普段は優しい微笑みと気品あふれる表情で観客を魅了する彼女たちも、スイッチが押されると――
目は見開かれ、眉毛は太くアーチを描き、頬はぷっくり、唇はまるで風船のように膨らむ。
まるでアニメのキャラクターのような、思い切りのいい変顔が次々と披露される。
観客席は大歓声と笑い声で包まれる。
「誰が一番おもしろい顔をつくれるか?」
「どの変顔が一番カラフルな涙を流せるか?」
審査員たちは真剣な眼差しで、変顔の完成度やインパクト、そして“泣きっぷり”を採点する。
やがて、ステージ中央に立つひとりの女性が、スイッチONの瞬間、誰よりも大胆な変顔とカラフルな涙を披露した。
その姿は、まるで観客の心まで変顔にしてしまうほどのインパクトだった。
拍手喝采の中、彼女は「自分らしさを表現するって、こんなに楽しいんだ」と心から笑った。
こうして、「へん泣競ってィー」は今年も大盛況のうちに幕を閉じた。
美しさも、面白さも、涙も、すべてが輝く唯一無二のフェスティバル――
来年もまた、誰かの新しい変顔が、スイッチONで世界を笑顔にするだろう。
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**(短編物語・完)**
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カニが流れ星を打球する宇宙球児
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呪文
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