うちの生徒_結木 璃杏
彼女は俺のシャツのボタンを外すと、そのまま首筋に舌を這わせてきた。その舌使いはたどたどしくも官能的で、彼女の興奮が伝わってくる。そしてそのままゆっくりと唇で首筋を愛撫し……強く吸い付いた。それはまるで自分のものだと主張するかのようで、俺は思わず生唾を飲み込んだ。しかしすぐに冷静さを取り戻す。
(どうしたんだ?)
いや違うな……これは“俺”じゃない……。
これは璃杏が“俺”との行為に興奮しているのではなく、ゲームに対する興奮だ。彼女は今この瞬間も、俺の身体を使ってゲームのステージをクリアしようと躍起になっているに違いない。
「……っ」
俺は思わず息を飲む。彼女の舌使いはどんどんエスカレートしていき、ついには俺の乳首にまで到達する。しかしそれは愛撫というよりもただ単に舐めているだけといった方が近いかもしれない。それでも璃杏の唾液で濡れた部分が空気に触れるたびにひんやりとした感覚があり、その刺激だけで俺はどうにかなってしまいそうだった。
「璃杏、ちょっと待ってくれ……」
俺は慌てて彼女を引き剥がそうとするが、彼女はそれを拒むように強くしがみついてくる。その必死な様子はまるで何かから逃げようとしているかのようでもあり、それが余計に俺を不安にさせた。しかしそんな俺の思いとは裏腹に、璃杏はなおも行為を続けようとする。
「璃杏……?」
「……」
璃杏は何も言わないまま俺のベルトに手をかけると、そのまま下着ごと一気にずり下ろした。そして露わになったペニスを見て一瞬躊躇うような素振りを見せたが、すぐにまた顔を近づけてきた。彼女の熱い吐息がかかるだけで俺はもうどうにかなりそうだった。しかしそんな俺のことなどお構いなしといった様子で彼女はそれを口に含むとゆっくりと頭を動かし始めたのだ。その刺激に耐え切れず思わず声が出てしまうがそれでも構わず続ける彼女に対して俺はなすすべがなかった。やがて限界が訪れ、彼女の口の中に射精してしまうとようやく彼女は口を離して俺を見上げてきた。
「……ごめん」
璃杏はそれだけ言うと、そのまま俺の身体から離れようとした。俺は慌ててその腕を掴むと彼女を引き止める。そして今度は俺の方から彼女に口付けをしたのだった。
「んっ……」
最初は驚いていたようだったがすぐに彼女も受け入れてくれたようで、俺たちはしばらくお互いの舌を絡ませ合っていた。やがてどちらからともなく唇を離すと唾液の橋がかかったのが見えたのでそれを指で掬い取り彼女の口に押し込むようにして舐めさせる。すると彼女もそれに応えるようにして俺の指を舐めてくれた。
「璃杏」
俺は再び彼女に口付けをする。今度は先程よりも長く深いものだったがそれでもまだ足りないとばかりに何度も繰り返してしまう自分がいた。そしてそのまま彼女を押し倒すと今度は首筋から鎖骨にかけてゆっくりと舌を這わせていくことにしたのだった。
呪文
入力なし