最も香しい場所と最も汚れた視線
ザフィーラ姫は、濃厚な香油の匂いが満ちる「薔薇の香室」に立っていた。彼女が臨むのは、王室の香水師や調香師たちに、姫の持つ「絶対的な魅力」を査定させる「香りの選定儀」だ。彼女のドレスは、魅惑的な夜を思わせる濃紫(こいむらさき)の薄絹(うすぎぬ)。その官能的な衣装は、彼女の強烈なカリスマと、臣下を見下す傲慢さを強調していた。
集まったのは、調香師、香料商人、そして若い侍従など、香りを扱う男性臣下たちだ。彼らの視線が、香りの選定ではなく、濃紫の薄絹に包まれた彼女の肉体と、中東の姫の隠された魅力への露骨な欲望で汚れているのを、ザフィーラは見抜いていた。
(嗅覚を研ぎ澄ませるはずの職人が、私の肉体の匂いを想像するとは。その低俗な欲望こそ、私があなたたちの感覚全てを支配する理由だわ。)
儀式の作法として、姫は「最も魅惑的な香り」の源を象徴するインナーを着用する義務があった。彼女の体には、豹柄(ひょうがら)のベルベット素材の、肌触りが良く、視覚的にも刺激的なインナーが着用されている。これは、隠された「野性の本能」を象徴するとされていた。
II. 魅惑の査定とガニ股の曝露
首席調香師が「最高の香りの源たる姫よ、我らにその魅力を余すことなく示されよ」と告げた。
ザフィーラは、冷たい微笑みを浮かべ、査定台の前へ進んだ。彼女は、この儀式を臣下たちの**「欲望という名の嗅覚麻痺」**に変えることを決めた。
彼女は、香りの台の前に立つと、極めて挑発的に両脚を大きく開き、「ガニ股」の体勢をとり、深く腰を落とした。濃紫の薄絹ドレスは、その衝撃的な動作によって裾が軽やかに舞い上がり、股下から豹柄のベルベットインナーが、全ての男性臣下の視界に、有無を言わさず晒された。
濃厚な香りに満たされた部屋で、男性たちの間には、香りの評価とは異なる、抑えきれない原始的な熱狂が広がる。彼らは、目の前の姫のインナーと、香りの芸術という職務の規律の間で引き裂かれていた。
ザフィーラは、その屈辱的な体勢のまま、彼らの欲望を嘲笑う言葉を投げかけた。
「よく見なさい。これが、あなたたちがどんな希少な香料を使っても作り出せない、私の絶対的な魅惑と、その野生の秘密よ。あなたたちの心にある、獣のような妄想で、この高貴な香室を穢すことは許されない。」
彼女は、熱に浮かされた若い調香師の瞳を見据えた。
「あなたたちの卑しい視線が、この豹柄の布に向けられている限り、あなたたちは私の奴隷よ。そして、その欲望の炎が、香りの鑑定を凌駕するのなら、誰もいない香料倉庫の暗闇で、その汚れた熱を鎮めなさい。」
そして、彼女はさらに続けた。
「あなたたちの下品な情熱は、この王室の魅力とは無関係の、あなた自身の病よ。その病は、あなた自身の力で解消する義務があるわ。さもなくば、その汚れた欲望で、この聖なる香室を汚した罪は重いわよ。」
III. 視線の支配の完了
ザフィーラは、男性たちの精神的な敗北を確認すると、ゆっくりと、しかし完璧な支配者としての動作で立ち上がった。
「あなたたちの感覚と才能は、この私への服従によってのみ、その価値を保つ。私以外のものに、あなたたちの熱を向けることは許されない。」
彼女は、男性たちを一瞥し、香室を後にした。残された臣下たちは、豹柄のベルベットの残像と、冷酷な姫の命令に打ちのめされ、ただただ平伏し、己の欲望を呪うしかなかった。
呪文
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