グランゼンの守護者と焔の龍
ただでさえこの土地は暑い。しかし今、エルフェアルの兵士たちが感じている暑さは大地からもたらされるそれではなかった。紅き魔法使いの後ろをまるで当たり前のように闊歩するモンスター____焔の龍の口から放たれる火球が門の前で狼狽えているエルフェアルの兵士達を焼き払ったのだ。
逃げろ!……どこかでエルフェアルの兵士の一人がそう叫ぶ。するとそれがまるで合図だったかのように彼らは脱兎のごとく門の外へ引き返していった。
「ここから先はあなた達には暑すぎるわ」
頬を吊り上げうっすらと微笑む炎の魔法使いは、顔を寄せてくる焔の龍の顎の下を優しくなでてやる。
がるると喉を鳴らした焔の龍は満足そうな様子を見せて、どすどすを足音を立てながら壊された門の前までいくとゆっくりとその場に座り込んだ。
「グランゼンに楯突くなんて、愚かなものだわ」
炎の魔法使いはそう言うと、さっきまでの微笑を崩し、すぐにつまらなさそうな顔をした______
呪文
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