「お姉さん、このことは内緒です」
「昔は違ったんですか」
「うちの食事事情から察してくれ」
「そうですか。そうですね」
「まあ、そういうことだ。にしても、ここのケーキは美味いな」
「見た目は普通なんですけど、食べると違うんですよ」
「何が違うのかわからんが、美味しいのだけわかる」
「おかげで知る人ぞ知るケーキ屋、いえ、パンとケーキのお店です」
「パンも売ってるのか」
「どちらかって言うとパンがメーンですね」
「日常食べるパンがメーンになるのは当たり前か」
「はい。それなのでケーキは数がないんですよ」
「そういうことか」
「ですから、パンはよくここで買うんですが、ケーキは数がないことが多くて」
「なるほどな。美味しいものを探すとか、そういう探究心はないからなぁ」
「そこら辺は人それぞれですね」
「ああ、だからそこら辺はリリに任せた」
「はい。任されました。あと、今日のケーキは内緒です」
「了解した」
呪文
入力なし