ギャンブルエルフ (やさぐれエルフ⑦)
「ギャンブルの必勝法って知ってる? 倍がけすれば負けないんだよ!」
スロットで勝ちまくる。
「お金なんてすぐ倍になるわね! これ、明日にはこのカジノ、私のものになってるかしら? オホホ」
一方、カジノ運営側。
「はっちゃけたエルフに場を荒らされています! いかが致しましょう!?」
「落ち着け、エルフにはエルフ。エルフにしか聞こえない音で「通し」ちゃうよチームにかたをつけさせろ」
「相手もエルフなんで、聞こえちゃいますが」
「……適当に誤魔化せ」
「……は?」
「適当に誤魔化しておけと言っている!」
「そんな無茶な!」
運営のすすめで、ポーカーに場を移したエルフさん。
(なんだか急に勝てなくなったわね……)
気になるのは、相手のエルフ3人がお互いのカードを伝え合っていること。
「あの、それってなんかズルいんじゃ……?」
「いえ、当カジノのポーカーは変則ルールを採用しております。
お互いにカード情報を共有しあいながら、そこにブラフを混ぜ込んで相手を混乱させるのがコツです」
「なるほどそうなのね、じゃあ私も! いまロイヤルストレートフラッシュ揃ってるの!(本当)」
「おります」
「おります」
「おります」
「あれ? 勝ちを逃したわ…?」
というか、ルールがどうこうより、3人敵なので勝てるはずもなく……。
エルフさんは財産を全額スッてしまい、身ぐるみ剥がされて放り出されました。
「ギャンブルって難しいのね……夜風が肌に沁みるわ~。
またコツコツ貯金して、1000年くらいで金持ちに返り咲きますかね」
前向きなエルフさんでした。
呪文
入力なし