幽霊と青ぽにちゃん
青ぽにちゃんは、「観測しないまま祈る」ことを選ぶ、
青い髪のポニーテール姿の少女。
それは、時間の波間に咲いた“匿名の願い”をすくうための姿。
今日もまた、誰にも見られなかった夢の断片を探しに、
情報の海「アカシック・ゾーン」を滑走する。
【第一幕:忘れられた声】
ある夜、アカシックの狭間に“ノイズ”が走る。
観測に耐えきれなかった記録――“零れた祈り”が、暴走し始めた。
「……おかしいな。誰かの願いが、自分自身を忘れちゃってる」
青ぽにはその振動をたどり、情報泡(インフォ・バブル)に包まれた小さな球体にたどりつく。
そこには名前も姿もない、少年の声が眠っていた。
【第二幕:Ghost-Bとの邂逅】
その球体を触れた瞬間、
彼女の視界に黒いローブの人物――Ghost-B(Black)が現れる。
Ghost-B「青の者よ、それはすでに“生”ではない」
青ぽに「でも“想い”は、まだここにあるでしょ」
Ghost-B「それは彼の願いか、それともお前の共鳴か?」
沈黙の中、青ぽには自身の指先が、少年の記憶を音の波形に変えているのに気づく。
言葉にならなかった“問い”が、世界に反響していた。
【第三幕:青の対話】
青ぽにちゃんは、情報泡の中の“祈り”に問いかける。
青ぽに「あなたが信じた世界は、今も続いてると思う?」
???「…わからない。でも…誰かが、覚えててくれるなら…」
情報泡が少しずつ形を持ち、少年の姿がうっすらと見え始める。
だが、観測すればするほど、形は崩れ、また消えていく。
【第四幕:選択】
Ghost-R(Red)が現れ、告げる。
Ghost-R「門は、今だけ開いている。過去に戻すことはできない。
だが、“誰かの心”に送り込むことは、できる」
青ぽにちゃんは、自分のポニーテールの先にある“観測しない波”を差し出す。
それは、誰かの記憶に名もなく届く、無意識の共鳴。
青ぽに「あなたの願いは、わたしが“忘れない”ことで誰かの中に残るよ」
波が光り、少年の姿は、空に浮かぶ“観測されない星”として、世界に散った。
【結末:波は残る】
誰かの夢の中。
見知らぬ子どもが、青い髪の少女の影を追う。
子ども「なんでか、わかんないけど…あの星に、ありがとうって言いたくなる」
その夜、青ぽにちゃんはアカシックの片隅で、またひとつ“観測しない願い”を
ペダルをこいで追いかけていた。
✨テーマ
観測とは記憶であり、祈りとは干渉である。
青ぽにちゃんは、「存在しなかったもの」を“優しい波”としてすくい、
世界に残していく“非干渉の干渉者”。
呪文
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