レスランド・辺境の村の物語10
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青白い閃光が放たれる度、ゴブリンはその数を減らしていく。装甲すら持たない等身大の標的に対してオーバースペックとも言える威力を持つ兵器にゴブリン達は恐怖し、逃げ惑う。
撃たれた同胞達の末路は凄惨なものだった。肉片が残ればまだ良い方で、塵すら残さずに消滅させられた者も少なからずいた。
リーダー格の大柄なゴブリンすら、その例外ではない。仲間を盾にして逃れようとしたものの、それごと撃ち抜かれて消えていった。
その光景を見た他のゴブリン達も我先にと逃げ出し始め、やがて村は静寂を取り戻した。
朝日が空を照らし始めた頃、少女は乱れた呼吸を整えながら半ば呆然と立ち尽くしていた。遠くから村人達が駆け寄ってくる足音が聞こえて来たことで、ようやく皆が無事であったという実感を得る。
その途端、張り詰めていた緊張の糸が切れ、その場にへたり込んでしまう。慌てて支えてくれた人々の声を聞きながらも、意識は次第に遠のき……やがてそのまま眠りに落ちてしまった。
こうして、辺境の村で起きた事件は幕を下ろした。
『ゴブリンが村を襲撃したが失敗した』……そんなありふれた話として処理されたこの事件は決して歴史書には記されないであろう。
しかし、この村の人々はこの出来事を決して忘れることなく語り継ぐだろう。小さな少女が再建し、そして命懸けで守った平和と安寧を……。
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