草花が生い茂るほどの時が経った廃墟で偶然見つけた古びた編み物セットを手に取りこれで作ったセーターを誰かにプレゼントしたら喜んでくれるかもしれないと胸の奥が…
草花が生い茂るほどの時が経った廃墟で偶然見つけた古びた編み物セットを手に取りこれで作ったセーターを誰かにプレゼントしたら喜んでくれるかもしれないと胸の奥が少しだけ温かくなって編み始めたけれど夢中になるうちに何時間も過ぎてしまい少し疲れたので休憩がてら草の上に寝転び毛糸玉にじゃれつきながら笑いつつもその指先は確かに他者のぬくもりを覚えていてその耳も目もかつての日々の音と光を記憶していてもう着てくれる人が誰もいないのにそれでもいつかまた会えるかもしれないと未来を信じて再び編み針を動かし始めるキツネ
呪文
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