【樹海のかみさま】病院の絶望と人間の残酷さ
【ハーメルン掲載】紫陽花の季節に会いましょう著:樹海のかみさま ーメス堕ちENDを回避したい男の娘ヒロインは闇堕ちしてみることにしたー1章15話:北湊の滅亡よりインスパイア
ーーち囮は、既に息を引き取っていた。
「ぁ、ぁ、まっ、て、いやだ……」
「諦めなって。大体ほの囮が悪いんだよ? 北湊から逃げちゃうから。だから人質を殺さなきゃいけなくなっちゃった。でももう"希望"はないもんね? 諦めて駒になってくれるかな?」
ナニ、イッテル? 人質? 僕の大切な家族……ぼくの、ぼく、の……。
ベッドに横たわる妹の亡骸を見る。
僕が逃げたから? 逃げたからち囮は死んだ。殺された。僕が見捨てた。僕が死なせた。たった1人の大切な大切な家族を、僕が、僕が、僕が、ころした。
そのとき、僕の中で何かが壊れた。
「ぁ、ああああああぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
発狂する。ただただ発狂する。
声を絞り尽くし、涙を流し尽くし、それでも尚、僕にはもう立ち上がる気力は残されていなかった。
そんな僕の様子を見てニコラは、スマホをタップして言った。
「海知、こっち来るってー! やっと対面だね! さぁ、その子のことなんて忘れて、さっさとラブコメ始めてよ!!」
この世に神がいるように、この世に悪魔がいるのだとしたら、きっとこんな顔をしているのだろう。そのくらい今の村上ニコラは醜悪で、それでいてなんの罪悪感も感じないような表情をしていた。
その後ろには沢山の人が押し寄せていた。
こちらにスマホを向け動画を撮影するもの。
「女がまた減った」と嘆くもの。
臭いから早く片付けろと喚くもの。
「な、ん、で……こ、んな……ぁ、ああ、うえ、ぉぇ、ぇぇぇ……」
吐瀉物が目の前に広がる。醜悪な人間によるシャッター音がさらに大きくなった。
いつもこうだ。こいつらはいつも人の不幸を撮って、平然と拡散させる。こんな奴らがいたから母さんも、ち囮も、そして、僕も……。
こんなやつら、こんなやつら……。
「「ころしてやる」」
声が重なった。
それと同時に温かいものが僕を包み込む。温かいけどどこか暗い、太陽ではなく月の光。
「あとは私がやるから。私がこいつらを滅ぼすから。だから、おやすみ」
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