揺れる尻尾
彼女はバス停の屋根の下、フードを肩まで下ろし、
音楽でも聴いているのか、じっと前を見つめていた。
腰のあたりから伸びた光沢のあるコード状のデバイス――
まるで猫の尻尾みたいに見えるそれは、最近流行りの「反応型アシストツール」。
姿勢や歩行のバランス補助に使われる……なんて建前はあるけれど、
実際には、感情や緊張状態に合わせて細かく動くそのしっぽを、
ただの“オシャレアイテム”として楽しむ人も多い。
「ん、気になる? ………揺れてた?」
ふと彼女がこちらに目を向けて笑う。
尻尾の先がくるんと丸まり、ゆるく揺れた。
それはまるで、彼女の気分をそのまま表現しているようで。
言葉よりもずっと正直で、かわいらしかった。
あと少しでバスが来る。
けれど、その数分が、妙に長く感じるのは――
きっとそのデバイスのせいだけじゃない。
呪文
- Steps 30
- Scale 7
- Seed 1514302513
- Sampler DPM++ 2M Karras
- Strength 0
- Noise 1
- Steps 30
- Scale 7
- Seed 1514302513
- Sampler DPM++ 2M Karras
- Strength 0
- Noise 1