スカークお誕生日記念
どうした…?
お前の労を労ってやろうと連れてきてやったのだが、疲れて声も出ないか?
ん…?
私の腕?
そうだな…
ここはもうひとつの世界、お前の夢が作り出したもう一つの私だ…
だから私の身体はアビスを纏っておらぬ
腕も、足も、欠損してアビスを纏っていたものが実体としてここに確かにある
私のもう一つの無意識
「本当はこうありたかった」
という願いがお前の夢の中に入り込んだのかもしれんな…
しかし、その世界の私だと、お前と会うことは一生なかったのかもしれん
皮肉なものだな
一生会うことがない「もしも」の者同士が今こうして肌を寄せ合っている…
なぁに、そんな悲しそうな顔をするな
こうやって素肌で、お前の背中を流してやろうというのだ
ありがたく思うんだな、ふふ…
ーーーー・・・・・・ーーーーー
ん?目が覚めたか
なんだ、そんな悲しそうな顔で私を見つめて
もう訓練を受けるのが嫌になったか?
だが、刻は待ってはくれんぞ
さぁ、いこう。
呪文
入力なし