ふわり、夏の香り
窓の外から蝉の鳴き声が入り込み、うだるような熱気が漂っていた。
前の席に座る彼女は、窓際から吹き込むわずかな風に揺れながらノートをめくっている。
――そのとき。
彼女が首筋にかかった髪を、ゆっくりとかき上げた。
ふわりと香りが広がり、僕の鼻先をかすめる。
甘くて、涼しげで、でもどこか熱を帯びた香り。
思わず心の奥がざわつき、気づけば言葉が漏れていた。
「……いいにおい」
はっ、としたときにはもう遅い。
彼女は肩を小さく震わせて、振り返っていた。
大きな瞳が僕をとらえ、頬がほんのり赤くなる。
「えっ……な、なにそれ……」
その小さな声に、僕の心臓はさらにうるさく跳ねた。
呪文
- Steps 28
- Scale 7
- Seed
- Sampler Euler a
- Strength
- Noise
- Steps 28
- Scale 7
- Sampler Euler a