小説『冥土喫茶、怪異達もいます』【ニャンノ世界】
『冥土喫茶、怪異達もいます』
此処はニャワバリにある冥土喫茶、今日も今日とて怪異は踊り、
珈琲は香る。
猫耳族の徒然シズクは
紙を見て考える。
「ツインテールの日に向けて何にしようか」
シズクは思案する。
禿の怪異、バルトマンが言った
「我々、怪異と冥土喫茶で盛り上げましょう」
バルトマンの言うことには
信用ができなかった。
そもそも、信用してしまえば
禿げてしまうことには変わりなく
「盛り上げの代替え的なことにはなってしまうかもねクスクス」
笑異死神が笑った
サイバー好き死神
笑う仮面もサイバー仕様だ。
「ボクハドッチデモイイヨ~、ココチヨケレバ、ソレデヨシ~」
蠢く魂が囁いた
それも、儚げな言語によって
「キミたち、代替はジェネリックの権利であることを忘れてはいないかにゃ」
猫人形、ジェネリック・ネコノに妙案があるとでもと…
彼らの視線が、灰色の猫人形に集う。
気分屋、道化師、面白きことが好きでひとりでに動く機械的な猫人形に妙案があるとでもいうのか…
「ナイヨ」
どてん、スッ転んだ
「だって、幻影夢、面白すぎて、楽しいのだもの」
幻影夢、そう、彼は
幻影夢にワクワクしていたのだ
ゆえに、ここ数日、姿を現さなかったのは、幻影夢によるものだった。
「発想も枯渇してたからね仕入れナノサ仕入れ」
「怪異が仕入れって聞くと胡散臭くて信用できないにゃ」
「信用できないはバルトマンのですよ」
会話をしているうちに閃いたシズク
「そうだ、このままを異界から来たお客さんにもてなそうよ」
「それでイイノカイ、テヌキジャナイのかい」
笑異死神は、気紛れに笑った
「イカイノニンゲンコワイヨ~コワイヨ~」
イカイノニンゲン
翻訳
異界人( マロウド、客人など)
異なる世界から来たりし存在
彼らはルール、法則性に順応することもあるが、属性により、逸脱することもある未知の存在
怪異として観測し、怪注時計局や数多の機関が、彼らの存在には、
調査的価値があるとして研究をする。
秩序(ルール遵守)と
混沌 (ルール放棄)
善(利他的)か悪(自己的)
因果法則(傲慢/嫉妬/憤怒/怠惰/強欲/暴食/色欲)
アルカナ
など、
基本的に異界人は行動が読めず
未知数ゆえに蠢く魂は怖がっていた。
「怖がることも心理にゃり、じゃあ冥土喫茶は通常運転ということで」
挑戦はしない
いつも通り
ちょっと変化するならば…
「キラキラの魔法で、ハッピーに!」
珈琲に願い星
笑異死神は笑った。
「素敵デスナ」
「唐突に美味しい珈琲のアイデアが降りたんだよ」
天啓、キラメキ、
シズクの掌から放たれるワクワクは
サイバーチックな珈琲として現れる。
飲めば何をもたらすかは未知数
それでも、貴方は飲みますか
「此ヲ電脳珈琲ト呼ボウカ」
ジェネリック・ネコノが名付けた。
「じゃあ、名付けた貴方が飲むといいでしょうね」
バルトマンが紳士的な声音で言った。
「我輩ハ機械人形ニャ、飲メヌシ、了承シタラ禿ゲル」
「クスクス、じゃあバルトマンが飲んだら…いいよ、だって、飲んで何かあっても、アクシデント自体を、〈信用できなかった〉ことにできるものね」
「地獄の侯爵らとの交渉役にも私の同族が活躍しているのは、〈信用できない〉ことにありますからね、わかりました、飲みましょう」
電脳珈琲に手を触れる
だが、
「手を触れれないッ!」
「にゃ!」
「クスクス」
「ニャルホド」
「コワイヨ~」
「!?」×4
猫人形を見る
何か分かったような顔をし、
ジェネリック・ネコノは
微笑んだ。
「発想を転換してみよう、こういう時は広告を経てから見るものだよ」
「つまりはCMってこと?」
シズクが、どこぞの猫みたいな
感じで小さく可愛くなった。
長い期間(コマーシャル)を経て
情報は纏まり、猫人形、ジェネリック・ネコノは、笑った。
「これは実体が飲む珈琲ではなく幽体が飲む珈琲にゃ、つまり…」
猫人形はこの場にいる中で幽体の者を指す
「ボクとバルトマン、シズクは実体、笑異死神と蠢く魂が飲むのに適シテイルヨ」
カタカタと鳴り響く
猫人形は微笑みけり
「クスクス、ホントウに大丈夫デスカネ」
「ダークホールにスイコマレナイ?」
「ボクの言葉はバルトマンじゃない、ジェネリック(代替え)だから」
「お前さんの核たるものはどこかに在るとでも」
「そう捉えてもいいし、捉えなくてもいいよ笑異死神」
「解釈次第デスカ、なら、珈琲と向き合いましょうかね蠢く魂さん」
蠢く魂は、ヒヒィとビビるものの、シズクがキラメキによって構築した電脳珈琲の味は気になっているわけで…
「バルトマンが言ったじゃないなら飲もうかな」
蠢く魂は自身を納得させ、珈琲を恐る恐る口にする
バルトマンが言ったんじゃない
それさえあれば、安心できる
それほどまでに、
バルトマンは、禿の怪異
真実すらも更地にするほどに
物事を改編させる能力を有していた。
だからこそ、彼の語る言葉は〈信用できない〉、〈Not Truth〉なのであり、それは〈ミステリー殺し〉でもあった。
だからこそ、黒い存在がバルトマンのような姿をしているのは、彼を模倣しているのだが、当のバルトマンらは、能力ゆえに不自由さと不条理を抱いていた。
「機械神か道化師か、二者択一のようでいて様々なものですな」
バルトマンは飲んだ彼らを見て、呟く。
呟くこと、狂言回しが、彼の役目であった。
電脳珈琲を飲む。
すると、蠢く魂が
「オイシイ」
と、柔らかな表情をし、喜んでいた。
それは、笑異死神も同様にクスクスと笑いながら頷いていた。
「怪奇・電脳都市線の怪異に受けそうですね、または異界人にも」
カタカタカタと歯を鳴らす音が聞こえる。
お客さんが来たようだ。
冥土喫茶には摩訶不思議な怪異が訪れる。
冥土喫茶は、今日も怪異日和です。
〈この怪異に関して〉
https://www.chichi-pui.com/posts/2bf7a15d-639e-4f7a-ab7d-d8f809beb1b8/
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