マッドサイエンティストは叫ぶ その6「カミサマに対する私的考察」
「随分トンデモな事を言い始めたよこの人」
「私はね、神というのはヒトの信仰を得て初めてその存在をが認識されるものだと思っている。観測者を得て初めてその存在が証明される“箱の中の黒猫”と同じだよ」
「つまり、人間は神の実存を確定させるための観測者だと?」
「ざっくり言えばそういう事だね。だから仮にカミサマが存在するとしても、人間相手にちょいちょいちょっかいを出してくるのはその存在をアピールしてくるためだと思ってる」
「…人類にかまって欲しくて人類滅ぼす神とかイヤすぎですよ。メンタル病んでるんですか神様」
「転移前の世界でも、世界滅亡終末論はあったよ。けど、“一部の奴は生かしてやる”って救済が残されてたじゃないか。“箱舟”とか」
「あぁ、確かに」
「だからまー、“人間を全部滅ぼしてやるぜ”っていう悪神のやり口が解らない。あーっ、カミサマって奴はマジでわからん!!」
「まあ、簡単に理解されたら神様の方だって困りますよね…」
呪文
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