Dragon Side #3 「邪炎竜のはじまり」ゆるゆるサラトバ冒険記
とある竜の巣でのお話。
その竜の巣では比較的温厚な竜が集まっており、争いが始まることはほとんどなかった。
その中に、一際美しい鱗を持つ竜がいた。しかし、その竜は他と比べると小柄で弱かった。
そして、他の竜が持たない、もう一つだけ明らかに違うものを持っていた。
それは、自分が一番強くなりたいという強い欲求だった。
ある日、この竜は自分よりも小さい竜を見つけた。それは一匹の幼い竜で、鱗は鮮やかではなかった。
しかし、この竜は自分と同じように炎を吐くことができ、何よりも自分よりも弱いことが魅力的に映った。
竜は、幼い竜を襲い、その肉を食べた。
幼い竜の力を取り込むことで、竜は少し強くなった。
その後も、自分よりも弱い竜を見つけるたびに襲って力を取り込んでいった。
やがて、竜は自分以外の竜を食べつくしてしまっていた。
そこで、竜は自分自身を傷つけ、自分の体を食べ始めた。
竜は、自分の体から得られる力が、何よりも強いと確信していた。
しかし、竜は自身の体を食べることで理性を失い、狂気に陥っていった。
かつて最も美しい竜だったこの竜は、今では見る影もない狂気に染まったおぞましい存在となっていた。
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Dragon Side #2 「国境付近の戦い」
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呪文
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