7つの門と1つの門
全種族の言葉を同時に脳内にねじ込んでくる。
あの古き幼き小さき魔導すら、全魔力を使って体を枯れ木にしてやっとの事だったはず。
造作もなく行うその姿は金色でありながら禍々(まがまが)しさを感じさせていた。
「愚かな雑種、下等なる生物どもよ。
我が名は七門なる一の門。門の鍵は我が主のみ持つ。
鍵を持たぬ塵なお前たちには我をどうする事など叶わない。」
8つの頭の龍の一番大きい龍がやっと口を開いた
「選択肢などはない。死のみである。抗う事も認めぬ。
我が門が開いた時、その先を見る事なく門の業火で焼き尽くされるのみ。」
「残りの一門の疑問すら知る由もなし。ここで死に耐えよ。これは確定した既定された未来である」
声を聴いただけで意識を保てない者、姿を見ただけで心の臓を止めてしまう者もいた。
”本当にこの脅威に勝てるのか?”
”惑星(ほし)の全てをかけても悪神には勝てないのではないか?
いや、疑問などおこがましい。酸素がなければ人は死ぬように、1+1=2のように、滅びは既定だ”
全員口を開ける事はできないが、確信に至る共通認識が生まれた。
ただ、この8頭の龍がたたずむだけで。
呪文
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