ベッドのおもいで
重たいけれど、痛くはない。むしろ懐かしい、柔らかな重さ。
「……またか」
私はため息をつきながら、そっと手を伸ばす。
何もない。
見えない。でも、そこに"いる"のはわかる。
昔、家で飼っていた黒猫――名前は「クロ」。
小柄なのに、寝てると必ず頭の上に乗ってきて、ずしんと重かった。
テレビの音も気にならず、私が本を読んでいようが関係ない。
いつの間にか登ってきては、しれっと丸くなっていた。
あの子がいなくなってからもう5年。
忘れたつもりだった。泣かなくなったはずだった。
だけど、最近になってまた、ベッドに座るとこの重さを感じるようになった。
「クロ……」
名前を呼ぶと、少しだけ重さが増した気がした。
私は目を閉じて、身を預ける。
おもりみたいなこの感触が、なんだか安心できるのだ。
風もないのに、部屋の隅で風鈴がかすかに鳴った。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
後半は重いで
少し絡めようかと思ったけど諦めた🤦♀️
元々こっちがメインだったけど重そうに見えなく断念…
化け物みたいな大猫の予定が可愛くなって方向転換しました😆
呪文
入力なし