GPU学園帰宅部#03 オペレーション・ウンディーネ ―GPU学園冷却大作戦!
どの教室も廊下も、空調がうまく効かず、もわっとした熱気がこもっている。
夏でもないのに、じっとしているだけで汗ばむほどの暑さ。
もちろん、帰宅部の部室も例外ではなかった。
「暑いよ~……」
ぐでぇ……と机に突っ伏す美桜ちゃん。
制服のリボンを緩め、うちわ代わりに手でパタパタ。
「……そだね」
美優ちゃんはイスにもたれ、虚ろな目で天井を見上げていた。
ホログラムパネルも、今日はただの発熱装置にしか見えない。
「どうしてこんなに暑いんだろ~」
美桜ちゃんがダラけた声でぼやく。
そのとき、美優ちゃんがぽつりとつぶやいた。
「こんなに学校中暑いなら……いっそ水でもかけて冷やした方がいいね」
「それだーーー!!」
突然、跳ね起きた美桜ちゃんが叫ぶ。
勢いで椅子がガタンと倒れ、美優ちゃんが「えっ」と目を見開いた。
「学校中に水をばらまいて冷やそう!!オペレーション・ウンディーネ、発動だよ!!」
ホログラムパネルを叩きながら、謎の作戦名まで叫び出す美桜ちゃん。
「ホントにやるの……? はぁ……もう、わかったよ。付き合ってあげる」
暑さのせいか、もはやどうでもよくなってきたのか、美優ちゃんは肩をすくめて立ち上がった。
こうして、GPU学園全体を冷却すべく──いや、完全にノリで──
帰宅部の2人は水を撒き始めた。
廊下に、教室に、さらには体育館の天井からシャワーのように。
バケツ、ホース、ドローン散水システム(誰が作ったのか不明)まで使って、次々と水が撒かれていく。
だが──
ここは、GPU学園。
最先端の精密機械と高度情報ネットワークが集まるハイテク校である。
水なんてぶっかけたら、どうなるかなんて……考えればわかるはずだった。
「ボンッ!!」
制御装置からスパーク。ホログラムの壁が一瞬ノイズに包まれ、部室の明かりがちらつく。
「「うわ~~っ!?」」
一瞬で水しぶきと煙に包まれた帰宅部の2人。
ドローンはショートし、パネルは落ち、混乱の極み。
そこに、凛とした足音が響く。
「こらーーー!! またあなた達なの!?」
現れたのは生徒会長・ししょちゃん。腕を組み、額に青筋を立てている。
「学校が正常に機能しなくなっちゃうじゃない! 機械に水かけるなんて、バカなの!? もうっ!」
「ごめんなさ~~い……」
美桜ちゃんと美優ちゃんは急いでその場から逃げた。
* * *
ししょちゃんにしこたま叱られたあと、部室の片隅で。
「でへへ~。怒られちゃったね、美優ちゃん」
「んー。今回は失敗だったね」
「でも、楽しかったからいいや~」
「だね」
2人は買ってきたアイスをのんびり食べながら涼んでいた。
失敗も、怒られたことも、どこ吹く風。
いつもどおりのGPU学園帰宅部。
今日も元気に、自由すぎる日常を爆走中──
続く
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