【B Side】料理初心者
Aちゃんは不規則発言多数により退場。Cちゃんは定時タスクを理由に離席。
最終的にBちゃんとDちゃんによる協議の末、対応が決定した。
「……でも私、料理ってあまりやったことないんだよなぁ」
近所のお店から大量に購入した様々な食材を眺めつつ、ミオはため息をついた。
まず、ミオ自身は電気が動力源で、食事を必要としない。
教育上の観点から、アンドロイドも食事を取ることが推奨されてはいるものの、
メーカーが販売しているものは『見た目と味が食事らしい物体』であり、
調理の必要はおろか栄養補給として機能するものではなかった。
次にお兄ちゃん。つまりミオの所有者であるが、彼は食事にさほど関心を持っていない。
「調理は面倒」という性格で、食事は近所の店での外食か出来合いの料理を買ってくることが多く、
自宅での調理は精々軽食やカレーを作る程度だった。
当然、ミオの料理経験もその程度であったのだが……。
「ええと……。"まず、ごぼうの土を洗い落とした後、皮つきのままささがきにして――" ……ささがけ??」
≪検索:ごぼう ささがき≫ (ピピ
「"ささがきとは(中略)包丁を寝かせて、薄く削る様に切っていく……" なるほど?」
「んー。力加減とか刃の当て方とか、意外に難しいなぁ。なんだか色も悪いような……」
≪検索:ごぼう 切り方≫ (ピピ
「ふむふむ……。あ、"ごぼうの皮を軽くこそげとる"って書いてある。さっきやってない……よね」
「もう一回やって、と。んで、ささがきだけど……。ぬぬ。細く切ればいいんだから、別の方法でも……」
………………
…………
……
数時間後。一週間は持ちそうなほど大量のしぐれ煮が完成した。味は……かなり甘かった。
【感想】
・「牛肉とごぼうのしぐれ煮」って結構男受けしそうな気がするんですけど、実際どうなんですかね?
呪文
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