1夜:真夜中の歩行者
「耕す」「世話をする」意味のラテン語「コレレ」から来ている。
イタリア語では「クルトゥーラ」。女性名詞だ。
だから、イタリアの農家の娘だった彼女が「文化の守り手」なのも、自然なことだろう。
彼女の名は、マリカ。
豊穣の守護者「ベナンダンティ」の精鋭として、300年以上も
毎晩、夢の中で人々の安らかな眠りを見届けてきた、永遠の少女。
ところが。
ここ数十年、正確にはインターネットの普及と時を同じくして
極東の国「ニホン」で、彼女らの宿敵「悪夢の使い」の活動が盛んになった。
今夜も、夢の中で。街が怒りに燃えていた。
現実で起こる「ネットの炎上」は、掃き溜めの夢にまで引火していた。
「なんなのよ、これ?」
火消しに回るマリカも、あきれ顔。
呪文
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