旅の終わり。
私はうなずいた。
フェンテスに戻った私たちは【あの方】へ卵を渡し、その場を後にしたのだ。
力を失った私に出来ることはもう何も無い。むしろ、ここにいてはいけないのだ。
『行こう。これで世界は必ず救われる』
私の言葉にあの特徴的な青い髪を黒に変えた彼女が苦笑を持って答える。
「本当にマスターはお人好しなのですね。あの方が私にマスターを託した理由が今なら分かります」
行って彼女は頭上に魔方陣を開いた。
「いきましょうマスター」
そうだな。私はうなずく。
行こうか。誰も見たことの無い地へ。
でも彼女と一緒なら何も恐くない。
「マスター、命に代えてもお守りいたしますから」
光がはじける。
……これで私たちの物語は終わりだ。
皆さんはグランシュライデがどうなったのか見届けてほしい。
それが私の最後の願いだ。
呪文
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