願い
貴方と最初に出会ったのも雨でしたね。
こんなコトを言うと…
梅雨の時期だから…当たり前だと貴方は笑うでしょうね。
貴方の笑顔は…。
今でもはっきりと覚えていますよ?
まるで太陽の様にキラキラ輝いて。
眩しくて。
けれどあたたかくて。優しい笑顔。
忘れてはいません。
忘れてはいませんが…。
私は切に願うのです。
もう一度、貴方の笑顔が見たいと。
貴方はきっと困った様に苦笑するでしょう。
いい気味です。
私をおいて逝ってしまったのですから。
だから…。
だから私は我侭を言うのですよ?
貴方にもう一度…会いたい、と。
太陽の様な笑顔の貴方でしたが…
残念ですね?
私は雨女なんですよ。
ここに私がくるといつも雨でしょう?
残念です…
貴方には…お日様がよく似合うのに…。
本当に…ごめんなさい…。
そちらでは…
そちらでは雨は降るのでしょうか?
貴方は雨は苦手と仰っしゃっていらしたので…。
私がいないから…雨なんて降りませんかね?
お身体は…
お身体は大事になさってますか?
貴方はいつも無理するので…
非常に心配なのですよ?
質問が多いと思ってませんか?
当然です…。
私は…。
私はもう一度、貴方の声が聞きたいのですから。
さて…。
今日はこの辺でお暇しますね…。
また…来てもいいですか?
きっとまた雨になると思いますが。
…それでは…御機嫌よう。
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