配達人
ある日、リナはある橋の近くに立ち、雪山を背景に次の目的地を見据えていた。その日の任務は、一通の手紙を水に囲まれた村に届けること。
「ヨム、あんたはいつも邪魔ばっかりだけど、今日はちゃんと手伝ってよ。」リナは雨粒が衣服を濡らす中、ぼんやりと浮かぶ幽鬼に言い放った。 ヨムはひらひらと動きながら、「リナ、僕がいなければどれだけ危険か知ってる?橋だって崩れそうだし、君を守るのも僕の役目だよ。」と答えた。
リナはため息をつきながら、橋を渡る。水が足元でチャプチャプと音を立てている。「なら役に立つってところを見せてみなさいよ。」
突然、川の流れが強くなり、リナが岩から滑り落ちそうになる。「ほら、言った通り!」ヨムは素早くリナの手を引くように漂い、彼女を助ける。
「ちょっと、感謝した方がいいんじゃない?」ヨムは得意げに言った。 リナは幽鬼の存在に戸惑いつつも、その助けを受け入れるしかなかった。「まあ…ちょっとだけ、ありがと。」
こうして2人は手紙を無事に届け、村人たちに希望の小さな光を灯したのだ。この世界では幽鬼すらも貴重な仲間であり、リナは次の冒険に向けてまた歩き出す。ヨムと共に。
呪文
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