アヤナギ荘の日常 #13 -Everyday Ayanagiso-
人々のざわめきが、狭い通りに反響している。
その一角、シロキがメモを片手に、
真剣な表情で並ぶ店先を見ていた。
「クロ、次は…ええと、鶏むね肉と白菜…」
「ん、肉屋あっちだぞ」
クロキが無造作に指差す先には、行列の絶えない精肉店。
「……ここ、地味に戦場ですね」
「ま、任せとけ。アタシが突撃してくるわ」
そう言ってクロキが人の波へと消えていく。
シロキはぽつりと呟いた。
「……普段の買い物が、まるで遠征隊の気分です」
だがそんな慌ただしさもまた、市場ならではの魅力。
その後、買い物の途中で彼女らは美味しそうな
焼き鳥の匂いにつられ、ふと足を止めたのであった。
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