さぁ!狂気の医術のスタートだ!by電磁多朗
「おばさん、このでっかいパイは何かな」
「あぁ、これは越夜隊の死体から取ったってスカベンジアーからだそうだよ、まぁ、胸が大きいと、貧乳の子達は求めるからね」
「パッドでしょ、ゲーミングパッドにも使えそうだなぁ、よし、おばあさん、これ一つ頂戴」
「2つ、買ったらセットで安くしておくよ」
「えっ、本当かい、じゃあ、もう一つ、あのムッツリくんも喜ぶだろうな、プププ」
彼は、パイを2つ買って、バイなら~して
別の店へ…
「うん、ちょうど、死んじまった戦闘員のリサイクルもしないとね…、だから脊椎とかあったらいいんだけど…おっ、これはよさそうだな」
「おぉ、兄ちゃんいかしてるね、これは旅人の狐耳族の背骨だよ」
「ほう、なんだか、でも、小さいのがな…」
「身長聞かせてくれるかい、用意できるかもしれない」
「165cmくらいかな」
「うん、なら、越夜隊の背骨をあげるよ」
「ありがとう…なんだか、今日は越夜隊日和だな」
「それもそうさ、なんか、今日、黄昏梟の残党が、勝ち星を挙げてね、今じゃ、越夜隊は嘆き悲しんでることだろうよ」
おばちゃんは何だか嬉しそうに語る
「もしかして、子供さん、黄昏梟の人?」
「そうだよ、BR部隊でね、ロボットに乗って戦ってて誇らしいよ!だから、憎き越夜の骨が売れて、今日は息子のために、とびっきりの肉よ用意しようかね」
この世界の倫理はぶっ飛んでいる。
人すらも豚や鳥、牛となんら変わらず…
人肉として食べられていることもあった。
終末世界は厳しく残酷だ…
生き残るためには、頭のネジがぶっ飛んでなくちゃならなかった。
「さて、今度は怪人用のやつも買って…」
こうして、彼はさまざまな物を買い、
持ちきれないものは、猫メカに手伝ってもらい、その場をあとにした。
「それじゃあ、再生とか、改造の時間だね、これは僕の大好きな時間だよ…骨の部分や筋繊維が見れたり、どんなに可愛い子でも、皮を剥いだら同じなんだよ結局は…だけど、そこにぐっと来ちゃうんだよね~」
常人からしたら、マッドさで
気が狂ってしまうのかもしれない。
だが、彼は普通をやめた。
普通という異常性から外れた場所で、
己の欲望と好奇心で、今日も戦闘員を再生させたり、改造させたりする。
「バラバラになった部分に脊椎と脳を繋げて、よし、なんだか、ロボットみたいだな、人間の倫理とか言うけど、結局、なんら物体と変わらないじゃないか…」
「おい、それは違うぞ、生物を機械観的に考えてはいけない…」
黒髪の男が答える
「もう、ムッツリくんは、好きなくせに」
「俺は、彼女たちが悲しむことがないように力を貸してるだけだ、ちなみに俺は、ムッツリじゃない、睦雄だ」
彼は宇治崎睦雄(うじさきむつお)、
ヤマト医院の名医で権力に媚びず民のために医療をしていたが、戦争によって、
医院はなくなり、流浪の医師、
そして、今は狂気医院の医師として、
患者のために改造をしている。
「強くなきゃ生き残れないだから、俺は改造をするんだ…」
「強化兵士として…ってこと?」
「じゃなきゃなんだ…」
「それって結局は僕と同じってことだよね、人間を機械的に見てるってことだよ、結局は正論語った風で…」
胸ぐらを掴む睦雄
「お前は、命を甘く見てる、本当に強くしたいなら、遊ぶな」
「ふっいいじゃないか…刹那的な楽しさぐらい」
相容れぬ両者、わかりあえない
狭間のなかで、二人は己のできることをしていた。
「こんな、腐った世界に…狂気じゃなくてなゆだって感じだよね!」
カメラに向かって笑顔を向ける。
それが、どこか無理をしていることを
睦雄は感じたのだった。
「さてと、まぁなんだかんだあって、できました!戦闘員でーす、ほら、可愛いでしょ」
カメラは全体的にモザイク加工されており、描写もセンシティブ用語満載で、
それらを解除するためには…
R15・R18版に加入するプランが用意されていた。
「映像部門のシャドウズムービーはすごいよね、野郎共の扱い方を知っている。募金を呼び掛けるよりもずっと賢いな」
「………」
この世は終わっていた…
倫理も命も、何もかも…
睦雄は黙々と、彼らが死ぬことが
ないように改造することが今、できることだと考えた。
呪文
入力なし