『白銀(しろがね)の探索者』
「はい」
「……俺は、立っている方が楽なので」
「えー、まず、隠れ家を紹介するのは構いません。信頼できる伝手がいくつかあります。ですが、差し支えなければお聞かせ願いませんか? あの怪物は何なのか、そしてそれをやすやすと倒してしまったあの白い機械巨人は。それに、あなた方の素性と目的は。いかがでしょう」
「疑問に思われるのは当然です。こちらのジョージは、……その、大変に口下手なので、私の方からお話いたします。まず、我々は『白銀(しろがね)の探索者』です。遥か古代から邪教の輩と戦い続けてきました」
「邪教……、アンチクリストですか?」
「いいえ、もっと古いものです。それに奴らの奉じるものは、デーモンのような対話や交渉が可能な存在ではありません。『旧支配者』、『古き者ども』、『外なる神』……我々は、天魔と総称していますが、異なる星、異なる宇宙から飛来した人類の理解の及ばぬ名状しがたい異形の存在です」
「……(どうしよう、なんか、ものすごい話になっちゃってる……)」
「不死不滅の存在である天魔を滅ぼすための手段を、我々は長い時をかけて探し求めてきました。そして、ついに辿りついた答えが、あのデュランダルです。伝説の聖剣を魔術的投影により、破邪の力を持つ機械巨人……魔導機神として顕現させたのです。デュランダルこそ、天魔を断罪し得る唯一の手段なのです。しかし、ここにきて、なぜ急に邪教集団の動きが活発化してきたのか……、あれほどの規模の召喚は、700年以上前に行われて以来です」
「あー、それについてはアタシの方から話す。実は、面目ない話なんだが、アタシの一族で隠してきた『星辰のナイフ』を変な奴らに盗まれちまってな。それから……まあ、ものすごく長い話になっちまうから省くが、いろいろあって、どうも、このロンドンにいるナイ神父って奴がそれを持ってるらしいんだ」
「なんですって……!? ナイ神父が……、それに、まさかあの『星辰のナイフ』とは……、邪神の封印を解く鍵となる呪具……、マルネアン王国の滅亡とともに失われたと聞いておりましたが……」
「ああ、うちのご先祖は、そのマルネアン王家に仕える騎士だったんだが、落城の時、王様から『星辰のナイフ』を託されて、以来、ずっと守り続けてたんだ。それが、アタシの代でこんなことになっちまって……ほんとに申し訳ない。壊すかなにかしとけばよかったんだが……」
「あれは、異界の神が創り出した呪具だと言われています。人類にあれを破壊する手段はありません。デュランダルでも出来るかどうか……。むしろ、あなたの御一族は、よくぞあれを500年以上も邪教の輩から守り続けて下さったものだと感服いたします。仮に、あれが奴らの手に渡っていれば、今頃世界は天魔に支配されていたかもしれません。それほどの偉業です」
「そういわれると、なおさらアタシの不甲斐なさが際立つんだが……ほんと面目ない」
「まあそう言うな。お春(ジェーンのこと)はそいつを取り戻すため、アメリカから日本、日本からこのロンドンまで追ってきたんだろ? それもあんな不気味な連中に付け回されながらだ。普通の奴なら、何もかも投げ出して知らんふりしててもおかしくない。お春はよくやってるよ。それに、ここまできたら、後はロンドンのどこかにいるナイ神父を探し出してぶちのめし、お春の家宝を取り戻せば一件落着だろ? そこには魔物を倒せるお二人さんもいるし、ロンドン一の名探偵もここにいる。案外あっさり片が付くかもしれんぞ?」
「うーん、そんなに上手くいけばいいんだがなー」
「ねえ、ウルフ君」
「はい、なんでしょう」
「私たち、ひょっとして、なんかとんでもないことに巻き込まれちゃってる?」
「奇遇ですね、私もそう思っておりました」
「だよねー」
最後の画像は二枚目をGemini 2.5 Flashに表情だけ変えてもらいました。
呪文
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