アヤナギ荘の日常 #37 -Everyday Ayanagiso-
海の家の片づけ終え、砂浜に崩れ落ちる。
西の空は茜に染まり、波音が心地よく耳に響く。
「お疲れ様でした。
ほんと、よく動いてくれましたね、イチノ」
シロキが穏やかに笑いながら、
クーラーボックスを開ける。
「ごほうびに…はい、スイカですよ。
キンキンに冷えてます」
「やったー!」
イチノが飛びつくと、
クロキも座り込みながら手を伸ばす。
「…シロ、ちょっと塩とってくれ」
「はいはい…、ここに置いておきますね」
「サンキュ」
「お!スイカとはこれまた風流な、
それがしもいただきますぞ」
海の家の奥から、明芽とその友人が揃って出てきた。
「お疲れ様、君らが手伝いに来てくれたおかげで、
拙者のこの海の家は、
今日まで乗り切ることができた。大変感謝する。
明日からは例年のメンツが来れるようなので、
あとは大丈夫だ」
「…ということだ。
皆々殿、本当にお疲れ様であった」
その後、明芽の友人からの礼として、
海鮮にお肉のバーベキューが開かれた。
アヤナギ荘の面々は、今回の思い出を
振り返りながらバーベキューを楽しみ、
その日の夜は更けていった。
「そうだ明芽、帰りは明後日にするがいい」
明芽の友人は、ふと明芽に提案をする。
「う~ん?別にいいでござるが、
なんで明後日なんだ?」
「実はだな……」
「ほほー、それは見逃すわけにはいかぬな」
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