グランゼン建国記 ―レリーフより―
野蛮なる者たちが、山深きこの地で静穏に暮らしていた民を襲った
放たれた炎を背に、民らは山に逃げ、祈った
祈りに応えて現れたのは、一頭の竜
其は、名をグランゼン
竜は侵略者を余すことなく灼き尽くした
だが、竜は内に秘めたる力を持て余し、二頭にその身を分かつ
二頭の竜は睦まじく、あるいは憎しみあって飛び回る
放つ焦熱に、大地もまた灼き尽くされた
力を絞りきった二頭の竜は、地に堕ち、息絶えた
その屍からは山が興り、滔々たる金銀、それに黒鉄を湛えた
地の穴に隠れ潜んでいた民は、これを掘り、溶かし、形にした
そして幾星霜
この炎と鉄の国は、祖竜の名を冠してグランゼンと号する
竜の屍の上に立つ国の、その栄華が万世に亘らんことを
<謝辞>
Crownaさんの「偉大なる竜グランゼン」に着想を得て制作しました。
この場を借りて御礼申し上げます。
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