アヤナギ荘の日常 #51 -Everyday Ayanagiso-
詩温は駅前から少し離れた神社にいた。
きらきらと光るイチョウの葉が舞い落ち、
参道の石畳を黄色に染めている。
境内の縁側に腰掛け、
詩温はそっと缶入りのココアを両手で包んだ。
「……風の音だけって、落ち着く」
その隣に、音もなく腰を下ろす人影。
「よっ! 詩温」
「……イチノ先輩?」
「こんなとこで会うなんて奇遇じゃん」
イチノはそう言って笑うと、
持っていた紙袋を詩温に差し出した。
「焼き芋、いる?」
「いただきます……」
もらった焼き芋はほくほくしていて、
じんわりと指先が温まる。
いつの間にか、詩温は肩にかけたカーディガンを
イチノに直されながら、
うとうとと舟を漕ぎ始めていた。
そして境内に吹く風が、
またひとひら、落ち葉を運んでいく。
それはまるで、季節と季節のはざまにいる
二人を優しく包み込むようだった。
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