静寂鮫
【分類】幽影類
【危険性】極めて危険(人を襲う猛獣として恐れられている)
【サイズ】全長:約5〜15メートル
【生息域】凍結した川辺や霧に包まれた山など、冬の静寂な環境で活発に活動する。人が寝静まる時間帯であれば、近隣の村々にも遊泳する。
【発見者】ハインリッヒ・フォン・ファルケンシュタイン(伝説の探検家)
【生態・説明】静寂鮫は、おおむね冬にその姿を現す幽影類の捕食者である。その体は寒冷地に適応した白色の鱗に覆われ、雪や薄明かりの中で背景と一体化しやすいものとなっている。まるで水中を泳ぐかのような優雅で静かな動きで音のない空中を悠然と進む姿は、まさに「静寂」を体現していると言える。主な狩猟時間は冬の深夜。静まり返った環境下で、獲物に気づかれることなく近づき、突如として襲い掛かる。静寂鮫は、独自の魔力的器官を用いて周囲の微細な振動を捉えながら非物理的な斥力で浮遊していると考えられている。環境の静寂がその敏捷さを支えているのだ。しかし、逆に周囲に音があると、その浮遊・遊泳能力が乱れ、動きが鈍化する性質がある。なので夏場、虫や風の音が満ちている森の中で目撃されたことはない。特に熊鈴などの継続的な音は、静寂鮫のハンティング能力を著しく低下させるため、ファルケンシュタイン氏に報告される前から森の民族に防衛手段として用いられてきた。本当に脅威となるのは深夜、及び雪山である。暗闇や背景が白色となる環境では視認性が低下するため、静寂鮫の存在は一層の脅威となるだろう。
【伝承・備考】古くから静寂鮫の目撃は冬の厳しい環境と不吉な予兆と結び付けられ、警告の象徴とされている。本来は騒がしい人里には近寄らないが、葬式や疫病などで人々の活動が低下すると、都市部にまで進出することがある。幽影類らしく、その体重は物理的にはゼロないしマイナスの値を示すが、理由は不明である。魔術的な解析を求む。
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