『静釣図』
柳雲斎は、清末から民国初期にかけて活動したとされる謎多き水墨画家。山東省の山間に生まれ、若くして禅に傾倒し、俗世を離れて各地を放浪。筆と釣竿を友とし、自然の中で暮らしながら、墨によって心の風景を描き続けたと伝えられています。
彼の作品は、技巧に走ることなく、余白と静けさを重んじる構成が特徴。『静釣図』もその代表作のひとつで、晩年に黄河の支流沿いで描かれたとされます。釣りをする老人の姿は、柳雲斎自身の心象風景とも言われ、墨のにじみがまるで時間の流れを映すかのよう。
現代に至るまで、彼の作品はほとんどが民間に埋もれていたが、近年この『静釣図』が古民家の蔵から発見され、再び注目を集めています。印章には「雲斎」の文字が刻まれており、彼の存在を裏付ける貴重な資料とされています。
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