寿司を食べるブラウエ・シュライベと紅葉を満喫する茶乃山フウガ
日本の文化には慣れずにいた。
おまけに、イベントにきたはいいものの、
それがちちぷい世界からだけだったため、
会場の外でぼぉ~っとしていた。
「ちちぷい世界だけなのか…」
空を眺める…
ぼぉ~っとする
猫になって眠る。
「おい、お前さん、起きるにゃ」
「むにゃ、なんにゃ」
いぶかしげな瞳で起こした人物を見つめる
ブラウエ・シュライベ
「お腹減ってないか」
ぐぅ~
彼は思った…ここにきて、
ろくに飯を食っていなかった。
慣れない環境ゆえに、
食べることすらもしていなかった。
だからこそ、彼はその人物の薦めで
飯にありつく。
「俺は、お前に心を開いたわけじゃにゃいからな…」
「別にいいよ、ところで名前は」
「個人情報だから、言いたくないにゃ」
「尖ってるねぇ~」
「ミラノだったら、すぐ言いそうだけどにゃ」
「ミラノって、あのトイレの?」
「そうやって、僕に心を開かせようたって無駄にゃ…、だけど、飯はうまいにゃ…これが寿司か…むにゃむにゃ」
ブラウエの耳がピクピクと動き
目元が柔らかくなる
「どうだ、ヤマトの寿司うまいだろ」
「っ!?マズイ!これはすごくマズイ、本当に気に入らないんだい!ふん」
素直な反応を見せないブラウエ
だが、なんだかんだ、彼といると
心が落ち着いた。
「名前…名前ぐらいは聞いてやる」
「俺は、茶乃山フウガにゃ。ニャワバリで茶菓子屋やってるんだ」
「まぁ、また来てやらんこともないし、今度、茶乃山のとこで菓子でも…っていうのはやっぱ、なんでもにゃい」
「いいぜ、ブラウエ、それに、お前に見せておきたい場所があるんだよ」
「どうせ、ろくでもないばっておい、くっくそ仕方ない…一回だけだからにゃ」
ブラウエは彼に連れられて橋のところまで
やってきた。
「綺麗だにゃ…」
人類は汚れちまったが…
自然は、失望と諦観なんてちっぽけなものだと感じさせるほどに美しかった。
「お前も笑うんだな」
「にゃっ、うっさいにゃ!しゃー!」
「あはは」
ブラウエは孤独だと思っていたが…
なんだかんだで、この世界で生きている。
呪文
入力なし