理外の存在と接遇する代償は死
それと同時に、謎の光景が月美の意識下に映し出された...
①
月美(...なんなんこれ?アタシ、どうなったの?)
動かない体...いや、体だろうか?夢を見ているような具合で肉体と" かけ放された"ような感覚...
何もできないまま、一方的に様々なヴィジョンが月美の意識に送り込まれる。
走馬灯...とはまた違い、これはまるで...
月美(彼の...記憶??なにこれ?)
まず浮かんだのは戦争の光景だった。人と人ならざるモノたちとの。
その中に、精悍なガルザスと仲間たち。そして銀色の髪の美しい女性がひときわ目立ち、ガルザス達と戦果をあげる光景が映っていた。
やがて邪神だろうか?おぞましい化け物をうち滅ぼし、平和を築いた光景が映った次の瞬間、場面は暗転する。
②
ガルザス『誰か!生きているやつぁ居るか!!!だれか!!!!返事をしろ!!!!』
焦燥するガルザス。焦土と化した土地と横たわる仲間の亡骸...それもかなり無残な状態だ。
必死に辺りを駆け巡るガルザス。仲間の亡骸に衝撃を受ける...全身を怒りに震わせながらも、ハッとなり叫ぶ。
ガルザス『レフィア!!!!!!返事をしろ!!!何処だ!』
レフィア??誰だろう?
すると場面が変わり、ガルザスは一人の女性を抱きかかえ嘆いているシーンが見える。
③
月美(...彼の恋人かしら?そして...まさか???そんな!?)
その女性は身ごもっていた。恐らく、彼の子供だろうか...
身ごもっていた女性の遺体を抱きかかえ嘆くガルザス...
全身を憤怒と悲壮に震わせ、天に咆哮する...
④
月美(彼の...子供と奥様が...そんなの!そんなの...)
次の映像は亡骸を抱えながら...背後の樹は悪魔のような形相でガルザスに語り掛けているようにも見えた。
⑤
目まぐるしくシーンは変わり...
重々しい表情のまま、ガルザスは神秘的な大木の泉に、亡くなった恋人とお腹に宿された子供と一緒に水葬している風景だった。
月美(この事態を引き起こしたのは邪神の仕業?そして、これがキッカケで彼は邪神を駆逐しようと決意した?でも、なぜアタシ、この光景をみれてる?ぁ...)
急になにかに引き寄せられるように、月美は意識を取り戻す...
??(理の外の情報を理の内の存在が知ることは、理の外に導いてしまうのよ?あなた忘れたの?)
??(こっちの奴とやり取りするのが久しぶりすぎてな、覚えてなかった...正直失念していた)
??(ばっか!おかげでつーちゃんこのまま死んでたぞ!あほ!ばか!とんちんかん!)
??(...変わらねぇな?ほんと。しかし、軽率だった。アウディの娘だから平気だろうと思ってた)
??(はぁ...とりあえず、貸はつーちゃん大事にすることで返してね?ガル)
??(わかったよ、レフィ...助かる)
月美(??????なにこれ)
呪文
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