おじさん誰よ
氷見さんと今の関係になってから、いつかそういう日が来るかも知れないと覚悟はしていたが、かなり緊張している。
「おじさん誰よ」
歩いている時に偶然出会い、氷見さんの従妹だと紹介された少女は無愛想に俺を一瞥して突き放すように言った。
「おじさん…?」
「おじさん…あははははは!」
氷見さんがけたたましく笑い出した。こういう人なんだよなぁと妙に納得していると、彼女は慌てて謝罪した。
「笑ってごめん!檜山くんてそんなに老けて見えるんやなって思って。悪気はないんよ?」
「分かってるよ」
若干の不満を込めて答えると流石に悪いと思ったのか、俺をおじさんと呼んだ少女に氷見さんは初めて訂正した。
「おじさんやないよ。この人は私と同じ歳やもん。大学3年生よ」
「あ…じゃあこの人?香津ねえちゃんの彼氏」
「え?彼氏?誰から聞いたん?」
氷見さんが横目で俺を気にしながら慌ているが、構わず少女は主張を続ける。
「だっておばちゃんがさ、香津ねえちゃんが彼氏連れてくるって言いよったもん」
「お母さんが?」
「うん」
氷見さんの従妹だと紹介された少女はあっけらかんとしている。俺はもう何が何だか状況が掴めない。
「全然イケメンやないしオタクみたいやけど、優しそうな人やね」
「ちょっ!千恵美ちゃん!何でそんなこと言うと!」
今度は流石に氷見さんが怒った。俺はもうそれはどうでも良かった。そして覚悟を決めなければならないと何故かその時初めて思った。その時初めて氷見さんの彼氏でいたいと思った。下らない自己嫌悪とか生まれつきの卑屈さとか人間不信などどうでも良くなった。
彼女の期待に応え俺の気持ちに従いたくなった。
呪文
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