Nigiri【寿司屋 壱文字】
寿司、男は
寿司屋壱文字の虜になっていた。
「へいらっしゃい!また、きやしたね」
「ワクワクするからね」
奇をてらうのではなく…
シンプルに握られる安心感
内装も、派手さはなく…
落ち着いた雰囲気が
好みだった。
和食…何てこんなにも
心を捉えてくれるのか
声には出さないが
この場所の匂いや質感が好きであった。
「さて、今回は何にしやしょう」
「うーん、」
男は考える、前回はSushiを頼んだから…
同じ用語を出すのは、楽しみに欠ける
ならば…これはどうだと
「Nigiriで」
「あいよ」
と壱文字大将が快く引き受けると
酢飯とネタを握って渾身の一貫を
彼の目の前に置く。
「おぉ~」
サーモン…じゅるり…
美味しそうな寿司が
目の前にある…
それを口に運び
頬張る…
入れた瞬間にとろける味わい
と滑らかな感覚に
男の瞳や口から光が溢れた。
「美味しいです…」
それからも、Nigiriが出てきて
男は満足しながら帰っていった。
次はどんな寿司を頼もうかな
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