『晴天散歩するです』賽銭子 in フラットランド with ゴーヤ
ロックダウン解除に合わせたコールドスリープから目が覚めて、外に出てみれば世界はすっかり終わってて大爆笑。中途半端な崩壊ならもう少し悲しめたんだろうけどさ。
知らない場所を散歩するのが趣味だったけど、もう全世界が知らない場所じゃないか、とわくわくしてしまった。
同じタイミングでコールドスリープから目覚めた連中は皆、それぞれの考えに従ってすぐ散り散りになったから今どうしているかは知らない。
ワタシはと言うと昔を取り戻すよりもこうなったら飽きるまであちこち散歩するしかねーな、と死に方を定めた。
とはいえろくに現状把握もせずに一人で遠方まで出向く胆力は無いので、先に起きていた人達とコンタクトを取り、とりあえずは自分と似たような目的の旅団を求めた。
いくつか渡り歩いたが旅団には文明遺産の探索、今の世界の記録、これからの生活基盤に適した土地の精査、など意外にもそれぞれ目的をもって構成されているものが多い。
そうしてワタシは最終的に小さな旅団に所属した。
特に考えもなく、ただ今の終わりの時代を見て回りたいだけの、しょーもない似た者同士の集まりだ。
今回はフラットランドという工場、物資などが残っていると言われているエリアを訪れている。
団長が、そろそろ自由行動にしましょうか、と言い出すと各自は思い思い好きな方向へ歩きだす。
団員に配布してあるビーコンで相互通信を可能にしておき、危険発生時には即時知らせて助け合う、というルール以外は何をしてても自由。
何なら、このまま旅団を抜けてどこかに行きたくなったらそれ用の発信状態にしてビーコンをわかりやすい場所に放置すればOKということになっている。
去る者追わず、来るもの拒まず、自由を阻まず、がこの旅団のモットーだった。
「んー、あれが工場とか物資倉庫ってやつ?ま、そういうのは団長に任すか」
崩れた道路、隙間から草が生える瓦礫を歩いてみてまわる。とりあえず周囲に危ない機械兵やナントカっていう狂信者集団は居ないし、他の団員からも知らせはない。
「そんなことよか、畑に適してそーな土壌ないかねえ」
そうそう、目が覚めた時に食べ物あるかわからん、とワタシは栄養価の高い野菜『ゴーヤ』をコールドスリープ装置にこっそり隠し入れておいた。
起きれば食料はそこまで困らなかったから、今も保存状態にだけ気を付けて誰にも明かさず持ち歩いている。
もう一つの目的。
ワタシは散歩をしながらゴーヤの種を蒔く場所を求めていた。
きっともうこの地上世界にゴーヤは無い。ワタシが持っている分が最後のはずだ。
だから誰にも知られずに種を蒔いて。
いつかゴーヤという存在が人々の記憶から失われた時。
ゴーヤは名もわからない果実としてひっそりと生い茂り、食料を求めて旅をした誰かが見つけるだろう。
そして意を決して果実を食べたバカアダムは。
あまりの苦さに悲鳴を上げるんだ。
「くく、ふへっへっへ…」
想像したら楽しすぎる。
もう既にこんなにも青くて苦い世界に更なる苦味のタネをばら撒いてやる。
極悪人気取りで世界を見て回ろう。
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旅人なので『晴天アポカリプス』をもじって『晴天散歩するです』をテーマにしました。
(追記)
※需要あるかわかりませんが、使いたかったら賽銭子を出現させてもらってオーケーです。グラ無し会話だけでも可。
所属:旅人
名前:賽銭子(さいせんこ)
崩壊前から散歩が趣味。崩壊した世界が楽しくていろんな場所をテキトーなノリでうろうろしている。拠点制圧には興味がない。戦闘技能無し健脚なだけの一般人。
苦いレーザーがでる非殺傷型ハンドガンと新鮮なゴーヤを所持。
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