即応部隊付シンカライ『韋駄天』の不運 その2
即応部隊付シンカライ「韋駄天」は、今日何度目かになる溜息(に相当するもの)をついた。
自分をスクラップ状態から救い出してくれたミオの依頼を断れず、部分軌道で地球を半周して来て数日。
ナノマシン素材を使っているため、少々の装甲の傷はすぐ治る彼は、人間やシンカロンにとって大変優秀な弾除けだ。
今日もスカイペネトレイター周辺を飛びながら、黄昏梟の仲間たちを守って回っている。
だが、本当の彼は大変温和な上、破壊を好まない植物好きだ。
正直言って、早く帰りたくて仕方ない。
空の上を怖い笑顔で飛び回っているラピスも、彼の方が遥かに大型だが怖い。
終末事変で相棒を失って以来、もう静かに生きるのだと決めた彼の人生?は、一体どこで変わってしまったのか。
どうやらミオがこのドタバタに飽きるまで、彼の溜息は続きそうだ。
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呪文
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