ようこそ!退廃の園
と、しておこう。
ここには少し珍しい退廃スポットがある。
それはアニメやマンガをテーマにした世界最大規模のテーマパークの廃墟だ。
観光立国のためのテコ入れとして、日本のオタク文化に傾倒していた前政権の首相の主導で開発が進められ、開業直前の状態に有ったのだが、クーデターによって現政権が樹立した際に“退廃的文化の象徴”として開発が中止され、そのまま放置されている。
地元の少年に案内されて敷地内に入ると、そこには不法投棄されたであろう廃棄物等が散乱し、予想以上の荒れ様だった。
ここの目玉となる筈だった、世界のアニメ、マンガ文化の展示場、“Otaku Museum“ の中に足を踏み入れた時、少年が「面白いものを見せてやる」と言い、何かのスイッチに触れた。
すると、まだ生きている電源が有るらしく、場内に僅かな明かりが灯るとともに、壁面にテーマパークのナビキャラクターのホログラムが映し出された。
「ハレーションランドへようこそ!ゆっくりしていってね♡」
迎えの言葉が虚しく響いた。
呪文
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