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国境の戦闘地域に出没した魔獣を討伐するため、一時的に停戦協定を結んだウェスティリアとグランゼン。
ただし、両国間の緊張が解けたわけではない。
それぞれの国から人質として王家の姫を送り合うことになった。

グランゼンからやってきた幼い人質の炎姫。
炎姫を護衛することになったウェスティリアの生真面目な女性騎士。
二人はいつしか親しくなる。
「魔獣なんか討伐されなければ良いのにねぇ」
「いつまでも停戦していて頂ければ良いのですが」
「きてよ、私の国に。ウェスティリアのように洗練されてはいないけれど、暖かくて良い国よ」
「ですが私の忠義は……」

停戦協定の終わる日、二人は手を取り合ってウェスティリアの夜に溶けた。
その行方は、ようとして知れない。

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