ちびっこたちと大きなハムちゃん
ひまわり畑に響く女の子たちの元気な声。青空の下、ひまわりが風に揺れる中、中央にはひときわ大きなハムスターがちょこんと座っている。ふわふわの毛並み、まんまるのほっぺ。だけど……よく見ると、その前足は妙に人間っぽい。
「もぐもぐ……」
ハムスター(?)は小さな手……いや、大きめの手で、ひまわりの種をつまんで口へ運ぶ。女の子たちはそんな様子に大喜び。
「こんなに大きなハムスター、どこから来たの?」
「もしかして、おっきくなる魔法をかけられたのかな?」
そんな風に無邪気に笑う二人の前で、ハムスターは「バレてない、バレてない」と心の中でつぶやく。実はこれは、人が入った着ぐるみ。けれど、女の子たちの楽しそうな笑顔を見ていると、もう正体を明かすのがもったいなくなってしまう。
今日だけは、本物のハムスターになったつもりで――もぐもぐ。
ひまわり畑の夏の日は、優しくて、あたたかくて、ちょっぴり不思議な時間が流れていた。
呪文
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