海辺の金狐
本家ミラさんのミラゴールディちゃんはこちらから
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一枚目がi2iでSDXL生成した完成画像、二枚目がi2iでTOPAZ生成した画像、
三枚目が素地としてGRYPHONで生成したオリジナル画像。
GRYPHON→i2i(TOPAZ)→i2i(SDXL)手順です。
【序章:海辺の金狐】
世界の端に“記憶の砂浜”と呼ばれる場所があった。
潮が記憶をさらい、砂が真実を刻むこの静謐な海岸の近くに狐の亜人少女が住んでいた。
黄昏に染まり、金色に煌めく髪と瞳。
彼女の美しさ以上に異彩を放っていたのは、身の回りにある物を黄金へと変える力だった。
その力に惹かれ多くの者が彼女を訪ねてきた。微笑みを浮かべ、優しい言葉を囁き、
彼女と親交を結ぼうとする。
けれども彼女にはもう一つの力があった──人の心を読みとる能力。
笑顔の裏にある欲望。
優しさに隠された打算。
「黄金」「富」「支配」──その目に映ったものは、彼女を愛する者ではなく、彼女の力を
欲する者たちだった。
そのたびに、彼女の心は傷ついていった。
いくら黄金を生み出しても、そこに本当の温もりはない。
次第に、彼女は人との関わりを避けるようになり、この浜辺でただ一人、静かに波の音を
聴いて過ごしていた。
「──もしこの力がなければ、私はもっと普通に、笑って暮らせたのかな。」
そんな独り言を、誰に届けるでもなく風につぶやいたその時。
長い沈黙を破るように、一つの足音が砂浜に近づいてきた。
金狐は静かに身を起こし、黄金色の瞳でその若者の姿を見つめる。
心の奥底まで射貫くかのようなその視線は、これまで幾人もの来訪者の嘘を暴いてきた。
だが──その瞬間、僅かに彼女の心へざわめきが走った。
それが何を意味するのか、まだ誰も知らない。
~序章 完~
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