サラトバ文化探訪 その5「神話」
大地が神と人とが共に生きる楽園であった古き時代、邪なる異形共を率いる「邪神」が現れた。見かねた神々は人々を助けたが、やがて争いは激化していった。
いくつかの大地が沈み、神々も人々も多くを失いながら、「竜なる神」「蛇なる神」によって邪神はついに地の底へと封印された。
「豊穣の女神」イプティーテは、癒しの奇跡も及ばず力尽きて地に伏した竜と蛇を大地へと還す。
女神の涙が大地に沁みて泉は溢れ、湖となった。竜の鱗は砕けて泥へと変わり、木々を育んだ。死してなお燃える心臓が岩を溶かし、火山となった。蛇の骨は崩れて実りの土となり、血肉は溶けて幾筋もの河を生んだ。
女神は、安らかな眠りと邪神の封印が永劫続くよう、この地に祝福を与え、その名を"竜と蛇の眠る大地"〈サラトバ〉と名付けた。
レスランド王立大図書館 所蔵「創世記」序章 第三節より抜粋。
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