学生時代の存在しないはずの記憶 その2
彼女はいたずらっぽくそう笑う。
「どうして、って? その方が面白いから」
あからさまに希望を失ったような顔をした男子を見て、彼女はより一層楽しそうに男子の股間に触れた。
「でもね、それ以外ならいいよ。君が見たいもの、シたいこと、なーんでも♥」
そう言って、彼女はおもむろに自分の制服のボタンに手をかけた。
空は夕焼けに染まり、グラウンドからは野球部の怒声が。校舎からは吹奏楽の下手糞な音が。
そのどれもが、今男子の高鳴る心音を彩るBGMとなっていた。
彼女がボタンをはずし、ブラに手をかける。
「知ってる?」
まだ色を知らない男子の瞳孔は、既に限界まで開ききっていた。まるで、0.1秒ごとに瞳の中のシャッターを切っているかのように。
「やっちゃいけないことをやるのって、楽しいんだよ」
そういいながらも頬を染めている彼女が、男子にはこの上なく美しく映った。
呪文
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