『屈折した幻想』【小説】
朝になったら消えているのかもしれない。
そんな不安を抱いて生きている。
雪は、熱くなったら溶けていく。
永遠ではない、消えていく…
当たり前のように見えるかもしれない。
この光景も、朝になったら消えていく。
束の間の美に酔いしれて、
一時の楽しさを目にして
困惑して動揺する。
この存在に名をつけるとしたら
どうしようかと悩む。
物語があるのは嬉しい…
そこに心があるからだ。
瞳の色が黒く染まってしまいそうに
なる時、きっと、猫ってのは
こうやって固まってしまうのかも
しれないと、思うのだ。
雪の中に、小さな悲しみを見ながら
時の狭間にて白く染まる。
呪文
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